⾒えない世界への⼿探り

真理と現実が混線するとき――ワクチンと戦争をめぐって

偶々なのかもしれませんが、「ワクチンは危険だ」と主張している知人たちの中には、意外と多くの人が「ウクライナの戦争で、ロシアは必ずしも悪ではない」と話す傾向があります。

確かに、「真理のレベルでは善悪はない」という考え方も理解できます。しかし、現実の世界――いわゆる世俗の次元では、どんな理屈をつけようとも、「理不尽な侵略戦争を始めたロシアは悪い」と、当方は考えます。

おそらく、「ワクチン=悪」とか「ロシア=悪くない」と考える人たちは、いわゆる“陰謀論的な世界観”に惹かれやすいのかもしれません。ただ、彼らは決して悪意のある人たちではなく、むしろとても善良で、精神的な話や意識の探究などをきっかけに懇意になった知人たちです。

だからこそ、彼ら・彼女らの中で「真理の次元(勝義諦)」と「世俗の次元(世俗諦)」の境界が少し混ざってしまい、真理の話を現実の問題にまで当てはめようとしているのではないか――今はそんなふうに感じています。

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