ローマン・コンクリート
あまり知られていませんが、ローマ帝国の代表的な遺跡ーたとえばコロッセウムは、実は2000年近く前に造られた“コンクリート建築”です。もちろん、当時の「ローマン・コンクリート」は現代のコンクリートとは組成が違いますが、それでもこれだけ長く残っているのは驚きです。
東日本大震災でも、津波で大きな被害が出た一方で、鉄筋コンクリート造(RC造)の建物の4階以上にいた方々は、多くが助かったと言われています。コンクリートの強さを象徴する話だと思います。
もし、窓のない全面RC造の建物があったら、それを壊すには通常の爆弾ではまず無理で、アメリカ軍の「バンカー・バスター」じゃないと破壊できない、という話も聞きます。見た目やテナント事情を無視すれば、現代のRC造でもきちんとメンテナンスすれば100年以上持つと言われるのも納得です。
昔、勤めていた会社の研究所で、ローマン・コンクリートの組成を参考にした「1万年持つコンクリート」を開発した研究者がいました。ただ、コストが普通の10倍以上かかるということで、国の実証事業で2件使われただけで終わってしまったのですが。
かつて「コンクリートから人へ」というスローガンを掲げた政権もありました。その考え方も理解できますが、コンクリートはときに“人を守る命綱”にもなる素材だと思います。
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